『李毛異同(18)』 -种拂の最期

李傕、郭艴兵を縦にして大掠す。太常卿种拂、太僕魯馗、大鴻臚周奐、城門校尉崔烈、越騎校尉王頎、皆な國難に死す。(「毛本」第九回)

 「毛宗崗本」ではこの様に一括して名前が並べられているだけですけれど、「李卓吾本」では种拂のちょっと格好いい最期が描かれてました。
 

太常卿种拂、家奴数人を引きて賊と死戦し、乱箭を被り南宮掖門において射られ死す。(「李本」第九回)

 これは『後漢書』种翬伝や『資治通鑑』初平三年の条を元にした挿話かと思いますが、当時の延臣たちのイメージからはちょっと意外な、勇壮な最期です。
 
 ちなみに彼の子供の种劭は第十回にて、馬騰らと図って李傕政権に叛旗を翻しますが、あえなく討死してしまっています。
 また同姓の种輯は第二十回以降に登場して、董承らと曹操排除を謀る一味に加わってます。
 いずれも『後漢書』に基づくシナリオでして、なんというか、すごいですね(笑)